ベビーシッターや家事支援サービスをめぐる税制優遇案に、疑問の声が広がっています。
子育て世帯への支援策として出てきた話ではありますが、「そこではないのでは」と感じた人もいたようです。
参政党の神谷宗幣氏も、国民のニーズとのズレに触れ、ベビーシッター減税への異論を示しました。
では、この問題は何が引っかかっているのでしょうか。
ベビーシッター減税はズレてると言われる理由
ベビーシッター減税が疑問視されている理由は、支援の方向が一部の家庭に寄りすぎて見えるためです。
政府は、ベビーシッターや家事支援サービスの利用を促すため、税制優遇を含む支援策を検討しています。
育児や家事の負担を軽くし、離職を防ぐ狙いがあるとされています。
ただ、ここで出てくるのが「そもそもベビーシッターを使う家庭がどれほどあるのか」という疑問です。
ベビーシッターを必要とする家庭があるのは間違いありません。
急な仕事、夜勤、ひとり親家庭、近くに頼れる親族がいない家庭など、助かる場面は確実にあります。
しかし、子育て世帯全体で見ると、もっと身近な困りごとは別にあるようにも見えます。
- 保育園に入れない
- 学童が足りない
- 病児保育が使いにくい
- 一時預かりの枠が少ない
そもそも近くに預けられる場所がない。
このあたりで困っている家庭のほうが、現実にはかなり多いのではないでしょうか。
税金で支援するなら、まずそこに手を入れてほしい。
そう感じる人が出るのも分かります。
神谷宗幣氏の異論は何だったのか
神谷宗幣氏は、ベビーシッターや家事支援サービスへの税制優遇について、国民のニーズとのズレを指摘しています。
本人の投稿では、家政婦やベビーシッターを求めている人が周囲に多くいるのか、という趣旨の疑問を投げかけていました。
この指摘は、ベビーシッターそのものを完全に否定しているというより、政策の優先順位を問うものに見えます。
子育て支援として出すなら、本当に多くの家庭が求めている支援なのか。
そこが焦点です。
共働き支援に偏って見える面
今回の税制優遇案は、働きながら子育てをする家庭の負担を軽くする狙いがあります。
その方向自体は理解できます。
ただ、共働き世帯の支援に見えやすい一方で、家庭で育児をしている世帯や、地方でサービスそのものが少ない世帯には届きにくい面もあります。
都市部ならベビーシッターや家事代行を探せるかもしれません。
しかし、地方では利用したくても事業者が少ない地域もあります。
制度があっても、使える人が限られる。
ここが引っかかる部分なんですよね。
ニーズより制度づくりが先に見える
政府資料では、ベビーシッターや家事支援サービスについて、実態やニーズの調査、サービスの品質向上、人材育成、税制措置などが検討されています。
つまり、これから利用を広げるための仕組みづくりが進められている段階です。
ただ、そうなると「すでに強いニーズがあるから支援する」というより、「制度を作って利用を広げたい」という印象も出てきます。
ここに違和感を持つ人がいるのだと思います。
子育て支援なら、今すでに困っている家庭へ届くものから進めてほしい。
その感覚は、かなり素直なものです。
本当に必要なのは預け先の拡充ではないか
今回の議論で大事なのは、ベビーシッターが必要かどうかだけではありません。
もっと大きな問題は、子どもの預け先が足りているのかという点です。
ベビーシッター減税は、利用できる家庭には助かる制度になる可能性があります。
ただ、多くの家庭にとっては、税制優遇より前に「預けられる場所がない」という壁があります。
保育園・学童・病児保育の不足
子育て中に困る場面は、かなり具体的です。
- 保育園の空きがない
- 学童の利用時間が短い
- 病児保育の予約が取りづらい
- 一時預かりの枠が少ない
- 土日や夜間に頼れる場所がない
- 送迎の負担が大きい
こうした困りごとは、ベビーシッター減税だけでは解決しにくいものです。
預け先が近くにあり、安心して使える状態になって初めて、子育ての負担は軽くなります。
税制優遇で利用料が少し軽くなっても、そもそも使えるサービスがなければ意味がありません。
ここが今回の政策への違和感につながっているのでしょう。
「使える家庭」と「使えない家庭」の差
ベビーシッターは、どうしても利用できる家庭が限られやすいサービスです。
費用面だけでなく、地域差もあります。
さらに、自宅に知らない人を入れることへの不安もあります。
子どもを預ける相手の安全性や信頼性も、親にとっては大きな問題です。
制度として支援するなら、その不安を減らす仕組みも必要になります。
ただ、そこまで整えるには時間も人材も必要です。
それなら、まずは保育園や学童、病児保育、一時預かりなど、地域の預け先を広げるほうが先ではないか。
そう考える人が出るのは当然です。
ベビーシッター支援そのものは否定できない
一方で、ベビーシッター支援そのものを全部否定するのも違います。
本当に必要としている家庭はあります。
急な仕事が入る人。
夜間勤務がある人。
子どもが複数いて、送迎や家事が回らない人。
ひとり親で頼れる人が近くにいない人。
こうした家庭にとって、ベビーシッターや家事支援は助けになる場面があります。
だから問題は、制度の存在そのものではありません。
子育て支援の中心に置くほどの優先度なのか。
そこが問われているのだと思います。
ベビーシッターを使える家庭への支援も必要。
ただ、その前に、もっと広い家庭が使える預け先の整備が必要。
この順番の問題です。
神谷宗幣氏の指摘が共感を集める理由
神谷宗幣氏の異論が一定の共感を集めるのは、生活感のある疑問だったからではないでしょうか。
「周りにそんなにベビーシッターを求めている人がいるのか」
この言い方はかなり直接的です。
でも、子育て世帯の実感に近い部分もあります。
多くの家庭が困っているのは、高額なベビーシッター代を減税してほしいというより、まず預けられる場所を増やしてほしいということかもしれません。
近くに安心して預けられる場所がある。
急な体調不良でも使える病児保育がある。
学童が夕方以降も使いやすい。
一時預かりがもっと身近にある。
こうした支援のほうが、生活に直結します。
ベビーシッター減税という言葉だけが先に出ると、どうしても一部の家庭向けに見えてしまう。
このズレが、批判の根っこにあるように感じます。
まとめ
ベビーシッター減税をめぐる議論についてまとめると、次のようになります。
- 政府はベビーシッターや家事支援サービスへの税制優遇を検討している
- 神谷宗幣氏は、国民のニーズとのズレに疑問を示している
- ベビーシッターを必要とする家庭があるのは事実
- ただ、多くの家庭が困っているのは預け先そのものの不足
- 保育園、学童、病児保育、一時預かりの拡充を求める声は根強い
- 制度があっても、地域や所得によって使える家庭が限られる可能性がある
ベビーシッター支援は、必要な人には大きな助けになります。
ただ、子育て支援として多くの家庭に届かせるなら、まずは安心して預けられる場所を増やすことが欠かせません。


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