ニュースやネットを見ていると
- 「中国が最も恐れる男」と紹介されている元外交官
- 中国や台湾情勢について落ち着いた口調で解説する男性
として「垂秀夫(たるみ ひでお)」という名前を目にすることが増えてきました。
「なんだかすごそうな人だけど具体的にはどんな経歴の人?」
「どうして『中国が最も恐れる男』なんて言われているの?」
と気になった方も多いのではないでしょうか。
この記事では
- 垂秀夫さんとはどんな人物なのか
- プロフィール・経歴・学歴
- 『中国が最も恐れる男』と呼ばれる理由
- 番組出演から見える人柄やスタンス
をできるだけわかりやすく整理していきます。
垂秀夫とは
まずは「ざっくりどんな人か」を一言でいうと
中国・台湾一筋で歩んできた“対中エキスパート”の元駐中国大使
という人物です。
- 1961年生まれの元外交官で大阪府出身
- 京都大学法学部を卒業後、1985年に外務省へ入省
- 在中国日本大使館、香港総領事館、台北事務所、外務省アジア大洋州局など中国・香港・台湾に関わるポストを数多く経験
- 2020年〜2023年まで日本の駐中国大使(特命全権大使)を務めた人物
現在は大学教授として教壇に立ちながら、
中国情勢や日中関係についての著書・インタビュー・メディア出演などを通して一般向けにも発信しています。
垂秀夫のプロフィール・経歴・学歴
ここでは、垂秀夫さんがどんな道を歩んできたのかプロフィール・経歴・学歴を順番に見ていきます。
プロフィール
- 名前:垂 秀夫(たるみ・ひでお)
- 生年:1961年5月23日
- 出身地:大阪府(大阪市西成区とされる)
- 元職:外務省職員、駐中国大使
- 現職:立命館大学教授、慶應義塾大学総合政策学部 特別招聘教授 など
いわゆる「中国語専門の外交官(チャイナスクール)」として長年中国を担当してきたことでも知られています。
学歴
- 1980年 大阪府立天王寺高等学校 卒業
- 1985年 京都大学法学部 卒業
その後、外務省の研修制度で
- 中国・南京大学
- アメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校
などにも留学し中国語と国際関係について本格的に学びました。
「大阪の進学校 → 京大法 → 外務省 → 中国&アメリカ留学」という流れを見ると
若いころから “中国とアメリカの両方を現地で見てきた人” ということがわかります。
経歴
外務省での経歴をざっくりまとめると次のような流れです。
- 1985年 外務省入省
- 1989年 在中国日本大使館 二等書記官
- 1995年 在中国日本大使館 一等書記官
- 1999年 在香港日本総領事館 領事
- 2001年 台北事務所(当時・交流協会)総務部長
- 2008年 外務省アジア大洋州局 中国・モンゴル課長
- 2011年 在中国日本大使館 公使
- 2013年 外務省大臣官房総務課長
- 2015年 大臣官房審議官(アジア大洋州局など)
- 2018年 領事局長
- 2019年 大臣官房長
- 2020年〜2023年 駐中国日本大使(特命全権大使)
こうして見るとほとんどのポストが
中国本土・香港・台湾 + 外務本省のアジア・中国関係の部署
で占められており、まさに「対中キャリア一本」という歩み方をしていることがわかります。
『中国が最も恐れる男』と言われる理由
では、どうして垂さんが『中国が最も恐れる男』 と呼ばれるようになったのでしょうか。
これは主に、本人の回顧録やインタビューを紹介する中でメディアや出版社がつけたキャッチコピーが広まったものとされています。
中国で築いたつながりと鋭い情報分析力
垂さんの回顧録などでは
- 中国共産党内部を含む独自の人脈を築いてきたこと
- そこから得られる情報をもとにいち早く情勢を読み解いてきたこと
といった点が紹介されています。
外務省内でも垂さんが集めてくる情報は「垂情報」と呼ばれ
対中政策を考えるうえで重要な材料になっていたとされています。
威圧にも動じない粘り強い交渉スタイル
近年の中国外交は「戦狼外交」とも呼ばれ、相手国を強く批判する攻撃的なメッセージが目立ちます。
そうした中で垂さんは
- 恫喝まがいの発言にも冷静に対応する
- 日本として主張すべきことはしっかり言葉にする
というスタイルを貫いてきたと伝えられています。
その結果、中国側から名指しで批判されたり「スパイ」などと過激な言葉を投げかけられたこともあったといわれています。
「中国から見て厄介な相手」であること
こうした
- 裏の事情までよく知っている
- ごまかしが効きにくい
- 交渉の場で一歩も引かない
というタイプは中国側から見ると「非常にやりにくい相手」になります。
そこから
「中国にとって警戒すべき存在」 = 「中国が最も恐れる男」
という少し誇張を込めたキャッチコピーが付けられたと考えるとイメージしやすいと思います。
もちろん、本人が自分でそう名乗っているわけではなく
あくまでメディア側・出版社側がつけたフレーズという点は押さえておきたいところです。
垂秀夫の人柄など|ワイドスクランブルで見えたスタンス
では、垂さんの“人柄”や“物の見方”はどんなものなのでしょうか。
ここではインタビューや著書に加えて、情報番組『大下容子ワイド!スクランブル』での発言から見えるスタンスをまとめてみます。
感情論より「現実」を重視するリアリスト
番組では、高市首相の台湾関連の発言やそれに対する中国側の強い反発についてコメントする場面がありました。


その中で垂さんは
- 中国にとって台湾問題は「核心中の核心」であること
- 日本との首脳会談に応じた中国側の“メンツ”の考え方
- メンツが傷つけられたと感じたとき中国がどう反応するか
といった “中国側のロジック” をできるだけ冷静にかみ砕いて説明していました。
中国に厳しい目線を持ちながらも
「中国はけしからん」と感情的に切り捨てるのではなく、「現実としてこう考えているから、こう動いてくる」という整理をする
というかなりリアリスト寄りのスタンスが見えます。
日本にもはっきり“宿題”を突きつける
また他のインタビューなどでは
- 「日本の政治家はもっと中国現地を見て勉強するべきだ」
- 「尖閣の問題では日本側の立場は決して弱くない」
といった発言もしており、中国だけを批判するのではなく日本側にも課題を突きつけています。
「どちらか一方だけを持ち上げたり、叩いたりする」のではなく
日本の国益をベースに中国とどう向き合うべきかを考える人
というイメージに近いかもしれません。
エリート一本槍ではない“人間くささ”と発言撤回へのモヤモヤ
プロフィール紹介の中では
- 京大時代はラグビーや麻雀に明け暮れていた
- 外務省の仕事になじめず辞めようか迷った時期もあった
といったエピソードも語られており、「最初から最後まで順風満帆」というタイプではないこともわかります。
こうした“人間くさい部分”と今の鋭い分析とのギャップも視聴者にとっては親近感につながっているのかもしれません。
一方でワイドスクランブルでの解説は長年の経験に裏付けられていて非常にわかりやすい反面、
発言撤回に応じるべきかどうかについてはまだ慎重な議論が必要だと感じる人もいるのではないでしょうか。
安易に「では発言を撤回します」としてしまうと中国と日本の立場をかえって明らかにしてしまうような
微妙なメッセージになってしまう怖さもあり、そのあたりは今後も注視していきたいポイントだといえます。
まとめ
最後にポイントだけ押さえておきます。
- 垂秀夫さんは、中国・台湾一筋で歩んできた元駐中国大使。大阪府出身で、天王寺高校→京都大学法学部→外務省という経歴。
- 在中国日本大使館や香港総領事館、台北事務所など中国関連ポストを歴任し2020〜2023年には日本の“対中トップ窓口”として北京に駐在。
- 中国で築いた人脈と情報分析力、威圧にも動じない交渉ぶりから『中国が最も恐れる男』と紹介されているがあくまでメディア側のキャッチコピー。
- 現在は大学で教えつつ、著書や情報番組を通じて中国情勢と日中関係を語る“現実主義の解説者”として注目されている。
この先も中国や台湾をめぐるニュースが出るたびに、垂さんのコメントを見る機会は増えていきそうです。
「どういう背景を持った人がどんな立場から話しているのか」を知っておくと同じニュースでも受け止め方が少し変わってくるかもしれません。





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