NHK朝ドラ『虎に翼』で戸塚純貴さんが演じた轟太一。
彼の姿を思い出すたびに、あのワンシーンが胸に蘇り涙がこみ上げてきます。
誠実でまっすぐ。男らしいのに優しくて、的を射た一言で空気を変える。
そんな轟の言動は、まるで私たちの心の中にある“理想の正義”を代弁してくれるようでした。
この記事では、SNSで「俺たちの轟」と呼ばれ愛された理由をふまえながら、
戸塚純貴さんの演技がなぜここまで“うまい”と感じられるのかを、私自身の想いも交えてお伝えします。
※本記事は筆者個人の視聴体験と考察に基づくもので、制作側の公式見解とは関係ありません。
戸塚純貴の演技はなぜ“うまい”と言われるのか?
戸塚純貴さんの演技は、派手さよりも静かな説得力で心をつかみます。
感情を大きく動かすことよりも、人間の内面を丁寧に描くタイプ。
だからこそ、見ているうちに「この人は本当に生きている」と思わせてくれるのです。
彼が見せる“間の取り方”“言葉の選び方”“仕草の繊細さ”——
どれも自然で、でも一つひとつに意味がある。
それが「演技がうまい」と言われる所以ではないでしょうか。
世間の声(SNS等の反応)と「俺たちの轟」とは?

『虎に翼』の放送中、X(旧Twitter)では「俺たちの轟」がトレンド入りしました。
「こんな上司がほしい」「誠実で正義感がある」「言葉が刺さる」といった投稿が相次ぎ、
轟という人物が“みんなの味方”として愛されたことがわかります。
“俺たちの”という言葉には、どこか仲間意識や信頼のような温かさがこもっている。
それは、戸塚さんの演技がただの芝居ではなく、
本当にそこに“生きていた”からこそ生まれた言葉だと感じます。
私自身も、轟の真っ直ぐな言葉を聞くたびに胸が熱くなりました。
【俺たちの轟】で光った3つの理由
戸塚純貴さんの演技が「うまい」と感じられるのは、単なる技術ではありません。
“轟太一という人間を、心から生きていた”——そう感じる瞬間がいくつもありました。
それぞれの理由を、具体的な印象とともに見ていきましょう。
理由1:沈黙が語る——“間”と視線のコントロール
戸塚さんは、言葉を多く使わずに気持ちを伝えることができる俳優です。
視線の動き、少しの呼吸の間、眉の動き——どれもが感情の揺れを物語ります。
例えば、葛藤するシーンでの静かな沈黙。
その一瞬に、轟の誠実さや迷い、そして決意が全部込められているようでした。
あえて言葉にしないことで、観る側が“自分で感じ取る余白”が生まれる。
私はその静けさに、何度も心を掴まれました。
理由2:身体がブレない——所作と立ち位置の精密さ
戸塚さんの所作には、嘘がありません。
立ち方、座る姿勢、手の置き方に至るまで、すべてが“轟らしい”。
一つひとつの動作に、相手への思いやりや人間性がにじんでいます。
書類をそっと渡す手つき、湯飲みを置く静かな所作、相手に向ける穏やかな姿勢。
そのすべてが、轟という人物の“誠実さ”を象徴しています。
彼の動きには「正確さ」だけでなく、人の心を大切にする柔らかさがある。
だからこそ、視聴者は安心して彼を見守ることができるのです。
理由3:声の温度が揺れる——抑制された台詞術
戸塚さんの声には、不思議な温度があります。
強く言い切らなくても伝わる、抑えた中の優しさと熱。
語尾をそっと置くだけで、心に余韻が残ります。
たとえば、仲間や寅子(伊藤沙莉さん)に向ける言葉。
「大丈夫です」「やってみましょう」——その一言に、相手を思う温度が宿っています。
押しつけず、でも支えてくれる声。
その絶妙なバランスが、轟という人物をより深く魅力的にしていました。
名場面の“見方”ミニチェック
もう一度『虎に翼』を見直すときは、次のポイントに注目してみてください。
- 相手のセリフを聞いた後の一呼吸
- 視線の流れ(相手 → 手元 → 少し上)
- 立ち位置の変化(半歩前進・半歩後退)
- 語尾の扱い(言い切る or そっと置く)
- 小道具の扱い方(置く、滑らせる、持ち直す)
これだけ意識するだけで、戸塚さんの演技の繊細さがさらに見えてきます。
私は何度見ても、轟が“本当にそこにいる”ように感じてしまうのです。
戸塚純貴の役柄に対する姿勢
戸塚さんは、どんな役にも真摯に向き合う俳優だと思います。
「どう見せるか」ではなく、「どう生きるか」。
この姿勢が、轟太一という人物の信頼感につながっていました。
感情を押しつけることなく、相手を尊重しながら存在する——
その立ち姿勢が、まさに“俺たちの轟”そのもの。
彼の演技には、人としての優しさと覚悟が滲んでいました。
私はそんな戸塚さんの芝居に、いつも勇気をもらいます。
あの静かな強さは、きっと多くの人の心に残り続けるはずです。
まとめ
戸塚純貴さんの演技は、静けさの中に熱がある。
それは、間・所作・声の温度——この三つを極めているからこそ生まれる深みです。
轟太一という人物は、決して派手ではない。
けれど、誠実さとまっすぐさで人を動かし、支え、寄り添う。
そんな生き方を、戸塚純貴さんは全身で表現していました。
私は今でも、轟を思い浮かべるたびに、
法廷での真剣な表情や仲間と交わした一言が浮かび、涙があふれそうになります。
彼の演技は、心に残る“静かな名演”。
そして、「俺たちの轟」は、きっとこれからも多くの人に愛され続けるでしょう。



コメント