ここ数日、X(旧Twitter)では立川志らくさんの名前が何度もトレンド入りしています。
タイムラインを見ていると
「志らくは正論を言っているだけ」
「さすがに今回は言い過ぎだ」
「『日本人じゃないの?』は完全にアウト」
といったかなり温度差のある反応が入り混じっています。
きっかけになったのは、情報番組『ひるおび』(TBS系)で志らくさんが口にした
「日本人じゃないの?」
という一言です。
このフレーズだけが切り取られて「差別発言」「非国民扱い」と批判される一方で
「文脈を見れば言いたいことは分かる」「むしろ正論寄りだ」という声も少なくありません。
この記事では次のポイントを中心に整理していきます。
- 『ひるおび』で実際にどんな流れだったのか
- なぜここまで炎上する事態になったのか
- Xでの賛否と“手のひら返し”や揚げ足取りにも見える動き
- 2017年の過去ポストと今回の発言の“ねじれ”
感情的に誰かを裁くのではなく「何が起きているのか」を落ち着いて見ていきます。
問題になっている「日本人じゃないの?」発言とは
問題の発言があったのは、2025年11月24日放送の『ひるおび』です。
番組では、高市早苗首相が国会で語った「台湾有事」や日本の安全保障政策についての発言が取り上げられていました。
中国側が強く反発していることや日中関係の緊張などが紹介されその流れで
「この発言でパンダが日本に来なくなるのではないか」
といった話題にも触れられます。
「高市首相の発言のせいでパンダが来なくなるのはどうなのか」
「日中関係を悪化させてまで言うべきことなのか」
といった論点が出る中で志らくさんは高市首相を擁護する立場からコメントしました。
趣旨としては
- 高市首相の発言が明らかな誤りだと断定できる状況ではないこと
- 安全保障の議論を「パンダが来る・来ない」という感情論だけにしてしまうのは違うのではないか
といった方向性でした。
その延長線上で志らくさんの口から出たのが次の一言です。
「高市さんをそこで批判する人たちは、あなたがた、なんで日本人じゃないの?という気すらする」
この「日本人じゃないの?」の部分が前後の文脈から切り離されて拡散し、
「差別的だ」「非国民扱いだ」と大きな批判を浴びることになりました。
『ひるおび』での流れを整理
当日の番組の流れを少し丁寧に整理しておきます。
まず、高市首相が国会で「台湾有事」や集団的自衛権の行使の可能性について触れた場面がVTRで紹介されました。
続いて、中国側がその発言に強く反発していること日本国内でも賛否が分かれていることが解説されます。
その後、日中関係の悪化が具体的にどんな影響をもたらすのかという話題に移り、
その一例として「パンダの貸与」や「今後、日本にパンダが来なくなる可能性」などが挙げられました。
安全保障・外交という重いテーマとパンダという身近で感情を刺激しやすい話題が同じテーブルに乗せられたことで
- 「日本として言うべきことは言うべきだ」という意見
- 「日中関係が悪化することへの不安」を強く口にする意見
がスタジオ内でぶつかる形になります。
志らくさんは、高市首相を「全面的に正しい」と持ち上げたわけではないものの
少なくとも「パンダが来なくなるからけしからん」という批判の仕方には違和感を示しました。
「安全保障という重いテーマをパンダの話だけで片付けてしまうのはどうなのか」
「日本人として、そちらの方を優先して考えるべきではないか」
そういったニュアンスを込めて言葉を強くした結果、「日本人じゃないの?」というフレーズが出てしまったという流れです。
ただ、実際に視聴者やネット上に強く残ったのはこの一部分だけでした。
なぜここまで炎上したのか
今回の発言がここまで大きな騒動になった背景にはいくつかの理由が重なっています。
まず「意見の違い」と「日本人かどうか」という線引きが結び付いてしまったように聞こえる点です。
首相や政権の考え方に疑問を持つことは本来は民主主義では当たり前の行為です。
にもかかわらず、そのような人たちに向かって「日本人じゃないの?」と言ってしまうと
「政府や首相を批判する人は、日本人失格なのか」
「戦前の『非国民』という考え方と同じではないか」
と受け止められてしまいます。
もうひとつは、その発言が行われた「場所」です。
今回のコメントは、志らくさんが個人としてXに投稿したひと言ではありません。
多くの視聴者が見るTBSの情報番組『ひるおび』でコメンテーターという立場から発した言葉です。
さまざまな視点を紹介する役割が期待される番組で、
特定の立場の人たちに向かって「日本人じゃないの?」と言い切ってしまったことが
「報道番組として適切なのか」「放送で言っていいラインを超えていないか」という別の問題も呼びました。
さらに、高市首相という賛否の分かれる政治家、中国や台湾有事といったデリケートなテーマが絡んだことで
もともと意見が割れていた人たちの対立が一気に表面化した面もありそうです。
Xの反応|「正論だ」という声と「差別発言だ」という声
Xのタイムラインを見ていると反応は大きく二つに分かれています。
ひとつは「志らくは正論を言っているだけだ」という見方です。
中国に過度に気を遣う日本の空気に違和感を持つ人や安全保障の議論をもっと重視してほしい人たちからは、
「パンダのために首相を叩くのはおかしい」
「言葉はきついが方向性としてはよく分かる」
といった声も多く見られます。
辛口の言い方も含めて「志らくさんらしいコメントだ」という肯定的な反応もあります。
もう一方には「完全に差別発言だ」「非国民扱いだ」という批判があります。
「首相のやり方に疑問を持つことと日本人かどうかは別の話だ」
「安全保障の議論をしたいなら、なおさら言葉を丁寧に選ぶべきだ」
といった意見が多く「日本人じゃないの?」という表現そのものに強い拒否感を示す声が目立ちます。
特に「日本人じゃないの?」の部分だけを切り取ったテロップ画像や短い動画が出回り
番組全体の文脈を知らないまま怒りが広がっているケースも少なくありません。
同じ発言でも
- 全体の流れとセットで見る人
- 一言だけを見て評価する人
が混在していることで受け止め方の差がさらに大きくなっている印象です。
過去ポストとの“ねじれ”|2017年の志らく発言
今回の炎上で特徴的なのは、志らくさんの「過去のポスト」まで掘り起こされている点です。
とくに注目されているのが2017年に志らくさんが投稿したとされる次のような内容です。
政権を非難しただけで反日という輩がいるが、
つまりは戦前の非国民と同じ感覚なんだと思う。相当危ない。
またすぐ日本人じゃないという輩。
よしんば日本人じゃなかったらなんだというのか。
その差別意識の方が偏向報道云々よりずっと危険だと思う。
私は日本人だしこの国を愛している。ただそれだけ。
この文章だけを読むと、
「政権を批判した人に対して『反日』『日本人じゃない』とレッテルを貼る人たち」
を志らくさん自身がかなり強く批判していることが分かります。
つまり当時の志らくさんは
- 政権批判をすぐに「反日」扱いする風潮
- 日本人かどうかで線引きしようとする差別的な感覚
に対して「その方がずっと危険だ」と明確に疑問を投げかけていたわけです。
ところが今回、高市首相をパンダ問題で批判する人たちに向けて
「日本人じゃないの?という気すらする」
と言ってしまったことで
「2017年の自分の主張と真逆の立場に立ってしまっているのではないか」
「自分で自分の過去の言葉を裏切っているように見える」
と指摘される状況になりました。
Xでは、ある映画評論家がこの2017年のポストを引用し、
「大拡散希望」と紹介したこともあり過去発言との“ねじれ”がさらに話題になっています。
一方で、過去のポストを掘り起こして現在の発言と並べる行為については
- 志らくさんの発言の変化を指摘する正当な批判と見る見方
- 「叩く材料を探しているだけ」「揚げ足取りに近い」と感じる見方
の両方がありここでも受け止め方は分かれています。
アンチや“手のひら返し”にも見える動き
Xのタイムラインを眺めていると今回の炎上にはもともと志らくさんに対して抱かれていた
「好き・嫌い」の感情も少なからず影響していそうだと感じます。
ふだんからコメントを好意的に見ている人もいれば、前から苦手だと感じている人もいて
その空気の上に今回の発言が落ちてきたような印象です。
実際のポストを見ているとたとえば次のような傾向があります。
- 「志らくは普段は正論のことも多いけれど、今回はさすがに言い過ぎだ」という戸惑いの声
- 「前から苦手だったが、やっぱりこういう発言をする人だ」とこれを機に距離を置こうとする声
- 「ほら見たことか」と以前からの不満を重ねるような批判のポスト
とくに志らくさんに対してもともと否定的だった層の一部からは今回の発言をきっかけに
- 過去の発言をスクショや引用で次々と掘り起こす
- 「前からこういうことを言っていた」として並べて批判する
といった動きも目立ちます。
発言そのものへの違和感だけでなくこれまで溜まっていたモヤモヤやアンチ感情が一気に表へあふれ出ているようにも見えます。
もちろん
- 「日本人じゃないの?」という表現が全国放送でそのまま出てきたこと
- 文脈を踏まえてもやはり重いひと言だったこと
このあたりに違和感を覚えるのはごく自然な反応だと思います。
ただその一方で
- 発言そのものがどこに問題を抱えているのかを落ち着いて考える視点
- もともとの好き嫌いや感情からくる“手のひら返し”や揚げ足取りのような動き
この二つが少し混ざり合っているようにも見えます。
そうした空気が重なった結果、炎上の勢いが必要以上に強くなっている印象も受けます。
まとめ|強い言葉と「切り取り」の怖さ
- 2017年の「日本人じゃないと決めつける差別意識を批判した」ポストとのねじれも話題になっている
- 志らくさんが『ひるおび』で「日本人じゃないの?」と発言し炎上した
- 「政府や首相を批判する人を日本人ではないと線引きしている」と受け取られた
- 全国放送のコメンテーター発言だったことも批判を強めた要因になった
- 一方で、中国やパンダ論争への違和感から擁護する声も根強くある
安全保障や外交の話題は感情が揺れやすく言葉も強くなりがちです。
だからこそ、発信する側は強い言葉が切り取られるリスクを意識し受け取る側も一言だけでその人を全否定せず
文脈も含めて距離感を持って受け止めることが大切だと思います。



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