VIVANTは中国で何があった?炎上した理由や問題のシーン・サンリオ謝罪とコラボ中止も

TBS系の日曜劇場「VIVANT」をめぐり、中国のSNSやメディアで大きな批判が広がっています。

さらに騒動はドラマだけにとどまらず、「VIVANT」とコラボしていたサンリオの中国法人が謝罪し、関連企画の中止を発表する事態にまで発展しました。

いったい何が問題視され、なぜここまで騒動が大きくなったのでしょうか。

目次

VIVANTは中国で何があった?炎上した理由を整理

「VIVANT」が中国で炎上した背景には、シーズン2で描かれた中国の架空の情報組織「シンシー」と、日本の秘密組織「別班」をめぐる描写があります。

2026年7月から放送されている「VIVANT」シーズン2では、堺雅人さん演じる乃木憂助らが関わる「別班」と、中国側の秘密情報組織「シンシー」の攻防が描かれました。

とくに問題視されたのが、10月4日に放送された第19話を中心とする拷問シーンです。

シンシーに拘束された別班メンバーが激しい拷問を受け、和田貢が右手の指を切断されたうえ、刃物で腹部や胸部を刺される場面が描かれました。

放送前には暴力的な描写が含まれることへの注意表示も出されていましたが、非常に強い表現だったため、日本国内でも放送直後から「見ているのがつらい」「かなり衝撃的だった」といった反応が出ていました。

その後、中国のSNSでこの場面が拡散され、中国人を残虐な加害者として描いているのではないかという批判が急速に広がっていきます。

中国で問題になったシーンは?指切断などの拷問描写

中国側でとくに問題視されているのは、単に暴力描写が激しかったという点だけではありません。

別班メンバーへの拷問

劇中では、中国の秘密情報組織「シンシー」が別班メンバーを拘束し、情報を聞き出すために拷問します。

しかし別班メンバーが口を割らなかったため、シンシー側は家族を利用することなども検討し、最終的には一人ずつ殺害する方針を取ります。

その最初の標的となったのが和田貢でした。

和田は右手の指をすべて切断されるなどの拷問を受け、さらに乃木家の守り刀を使って腹部や胸部を刺されるという凄惨な場面が描かれています。

中国側は旧日本軍の歴史と重ねて批判

中国メディアが強く反発した理由の一つが、この拷問描写と日中間の歴史問題です。

中国中央テレビや中国共産党系の環球時報などは、旧日本軍が中国人に行ったとする拷問のイメージを、現代の中国側の人物に置き換えて描いていると批判しました。

つまり中国側の一部メディアは、「歴史上の加害者と被害者を逆転させている」と受け止めたことになります。

さらに、日本の別班を正義側、中国側の組織を残虐な敵側として描くことで「中国脅威論をあおっている」との主張も出ています。

一方で「VIVANT」はフィクション作品であり、劇中の「シンシー」も実在する組織ではありません。

そのため、ドラマ上の架空設定を現実の日中関係や歴史問題とどこまで結び付けるべきなのかについては、日本国内でも意見が分かれています。

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中国SNSでは「中国を中傷している」と批判が拡大

中国では10月中旬ごろからSNS上で「VIVANT」への批判が目立ち始めました。

中国のSNS「微博(Weibo)」では、多くのフォロワーを持つアカウントが問題の場面を取り上げ、日本による中国への敵対的な描写ではないかと指摘しました。

その後、「中国を徹底的に貶めている」「中国人を残忍な存在として描いている」といった趣旨の反応が拡散します。

10月25日には中国中央テレビのニュース関連アカウントも「VIVANT」を取り上げ、翌26日には環球時報も批判的な論評を掲載しました。

中国のSNS上だけで起きていた議論が、国営・共産党系メディアまで取り上げる大きな問題へと発展した形です。

中国語が片言との指摘も?日本のSNSでも議論に

今回の騒動では、中国人の描き方そのものに対する違和感も指摘されています。

日本のXでは、中国出身とするユーザーから「VIVANT」の中国描写について長文の問題提起が投稿され、大きな反響を集めました。

この投稿では、中国人スパイ役を日本人俳優が演じていることや、劇中の中国語が不自然に感じられることなどが指摘されています。

さらに、実在する中国という国を背景にしながら、残虐な拷問を行う組織として描いたことへの疑問も示されました。

一方で「外国作品に登場する日本人や日本語にも不自然な描写はある」「あくまでフィクションなのだからドラマとして見るべき」と反論する声もあり、意見は大きく分かれています。

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なぜサンリオまで炎上した?VIVANTとのコラボが原因

「VIVANT」をめぐる批判は、ドラマとコラボしていたサンリオにも波及しました。

サンリオは2026年7月ごろから「VIVANT」とサンリオキャラクターのコラボ商品を展開していました。

ハローキティやマイメロディなどの人気キャラクターが「VIVANT」の登場人物をイメージした衣装を着たぬいぐるみなどが販売されています。

ところが中国で「VIVANT」への批判が拡大すると、「なぜサンリオがこの作品とコラボしているのか」という声が上がり始めました。

環球時報もサンリオを名指しし、同社が掲げる「みんななかよく」という企業理念と今回のコラボは矛盾しているとの趣旨で批判しました。

中国はサンリオにとって大きな海外市場でもあるため、ドラマの騒動が企業ブランドの問題にまで広がったことになります。

サンリオ中国法人が謝罪しVIVANTコラボ中止へ

批判を受け、サンリオの中国法人である三麗鴎(上海)国際貿易有限公司は10月28日夜、公式Weiboで声明を発表しました。

声明では「VIVANT」とのコラボ商品について各方面から意見が寄せられたとして、心配をかけたことを謝罪しています。

さらにコラボに関連する内容について、サンリオグループの企業理念にそぐわない表現が含まれていると判断したと説明しました。

そのうえで、現在行われているコラボだけでなく、今後予定されていた関連プロジェクトや宣伝活動も中止するとしています。

発表した企業三麗鴎(上海)国際貿易有限公司
発表日2026年10月28日夜
対象VIVANTとサンリオキャラクターのコラボ
対応コラボと今後の関連企画・宣伝活動を中止
理由サンリオグループの企業理念にそぐわない表現が含まれていると判断
今後コラボ企画の審査体制をさらに強化

なお、サンリオ中国法人の声明では「VIVANT」の具体的にどの場面が企業理念にそぐわないと判断されたのかまでは明らかにされていません。

そのため、問題となった拷問シーンなどを念頭に置いた対応とみられますが、サンリオ側が特定のシーンを名指ししたわけではない点には注意が必要です。

サンリオ日本本社も謝罪した?中国法人の対応との違い

今回の声明を発表したのは、サンリオの中国法人です。

10月29日午前の時点では、中国側メディアから「日本のサンリオ公式サイトや日本向けSNSには同様の声明が確認できない」との指摘も出ています。

そのため「サンリオ全体が日本国内向けにVIVANTについて謝罪した」とするよりも、「サンリオ中国法人が中国向けに謝罪し、コラボ中止を発表した」と整理するのが正確です。

中国のSNSでは、声明が中国向けだけに見えることについて「対応が十分ではない」とする意見も出ており、コラボ中止後も議論は続いています。

TBSは中国からの批判にどう回答した?

中国メディアからの批判を受け、TBSも「VIVANT」の描写について見解を示しています。

10月28日の定例会見で、TBSの龍宝正峰社長は、特定の国を敵視しているのではないか、暴力描写が過剰ではないかという意見が寄せられていることを認めました。

そのうえで「VIVANT」は完全なフィクションによるエンターテインメント作品だと説明しています。

また、国家間の対立をあおったり、特定の国をおとしめたり、国民感情を傷つけたりする意図はないとの考えを示しました。

一方で、暴力描写については、ドラマの演出として必要性があるとしながらも、視聴者に不快感や過度の恐怖心を与える表現になっていないかは今後も検討する課題としています。

TBS側は中国を敵として描く政治的意図があったとの見方については否定していることになります。

SNSの反応は?VIVANT中国炎上に賛否

今回の騒動については、中国と日本のSNSでかなり異なる反応が見られています。

中国側で見られる反応

中国のSNSでは「中国人を残酷な悪役として描いている」「歴史上の出来事を逆転させているように感じる」「中国への偏見を強める作品ではないか」といった批判が目立っています。

さらにサンリオとのコラボについても、「みんななかよくという理念と合わないのではないか」「なぜこの作品とコラボしたのか」と疑問を呈する反応が広がりました。

日本側では反論する声も

一方、日本のSNSでは「ドラマはフィクションなのだから現実と混同するべきではない」「海外作品でも日本が悪役として描かれることはある」と中国側の反応に疑問を呈する声があります。

その一方で、「実在する国を使うなら表現には慎重さが必要」「シーズン1のように架空の国を使えばここまで問題にならなかったのではないか」「中国語や中国側人物の描き方にリアリティが足りない」と制作側に疑問を呈する意見も確認されています。

また、サンリオのコラボ中止についても、「企業として中国市場を考えれば仕方がない」と理解を示す反応と、「フィクション作品とのコラボまで中止する必要があるのか」と疑問視する反応に分かれています。

なぜシーズン1より問題が大きくなった?

今回の騒動では、「VIVANT」シーズン1との違いも注目されています。

2023年に放送されたシーズン1では、物語の主要舞台として「バルカ共和国」という架空の国家が設定されていました。

一方、シーズン2では中国をはじめ実在する国名が登場し、現実の国際関係を意識させる設定が増えています。

そのため、ドラマ内の敵対組織がフィクションであっても、実在する中国と結び付けて受け取られやすくなった可能性があります。

とくに今回のような拷問や諜報活動を描く作品では、現実の歴史や国家間の関係と重ねて見られることで、エンターテインメントの範囲を超えた議論に発展しやすいと考えられます。

まとめ

「VIVANT」の中国炎上とサンリオの対応について整理すると、次のようになります。

  • 「VIVANT」シーズン2では中国の架空の情報組織「シンシー」が登場している
  • 第19話を中心に別班メンバーの指を切断するなどの激しい拷問シーンが描かれた
  • 中国SNSでは中国人を残虐な加害者として描いているとの批判が拡大した
  • 中国中央テレビや環球時報なども「中国脅威論をあおっている」と批判した
  • 日本のSNSでは中国描写への疑問と「フィクションなのだから問題ない」とする意見の両方が出ている
  • 批判は「VIVANT」とコラボしていたサンリオにも波及した
  • サンリオ中国法人は10月28日夜に謝罪し、コラボと今後の関連企画・宣伝活動の中止を発表した
  • TBSは特定の国家をおとしめたり国家間の対立をあおったりする意図はないと説明している

ドラマ内の激しい拷問描写から始まった議論は、中国のSNSや主要メディアを巻き込み、サンリオが実際にコラボを中止するところまで広がりました。

今後は「VIVANT」の放送内容だけでなく、TBSやサンリオが追加の対応を発表するのかについても注目されそうです。

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