広島高校教諭はなぜ処分?生徒を車で送迎しただけで戒告になった理由

広島県内の県立高校に勤務する男性教諭2人が、生徒を自家用車で送迎したとして戒告の懲戒処分を受けました。

「生徒のために送迎しただけなのに、なぜ処分されるの?」と疑問に感じた人も少なくないようです。

今回は、教諭2人が処分された理由や自家用車への同乗が禁止されている背景、当日の状況について整理します。

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広島高校教諭はなぜ処分?生徒を車で送迎しただけで戒告になった理由

今回のニュースだけを見ると、教諭が部活動の生徒を練習試合の会場まで送っただけのようにも見えます。

しかし、問題となったのは送迎の目的ではなく、所属長の承認を受けないまま生徒を自家用車に乗せたことでした。

広島県教育委員会の懲戒処分の指針では、所属長の承認を受けずに自家用車などへ児童・生徒を同乗させた場合、原則として「戒告」とすることが定められています。

県教委は今回の行為について、地方公務員法第32条の「法令等及び上司の職務上の命令に従う義務」と、第33条の「信用失墜行為の禁止」に違反すると判断しました。

つまり、交通事故を起こしたり危険な運転をしたりしたことで処分されたわけではありません。

「校長など所属長の承認を受けずに生徒を自家用車に乗せた」という服務規律違反が、戒告となった直接的な理由です。

戒告は単なる口頭注意ではなく、地方公務員に対する正式な懲戒処分です。

何があった?生徒22人を送迎した経緯

問題となったのは、2026年5月4日に県内で行われた部活動の練習試合でした。

2人はいずれも同じ部活動の顧問で、生徒22人を引率していました。

  • 33歳の男性教諭:自家用車で計19人を送迎
  • 25歳の男性教諭:自家用車で3人を送迎
  • 宿泊地近隣から練習試合会場までは約16km
  • 33歳教諭は生徒を運ぶため4往復半した
  • 2人とも所属長の承認を受けていなかった

報道によると、2人は規定があることを認識していましたが、「他に移動手段がなかった」と説明しているということです。

7月になって学校に「部活動の遠征の際、教員が生徒を自家用車に乗せている」といった内容の投書があり、今回の送迎が発覚しました。

33歳の教諭は19人を運ぶために何度も往復しており、私的な目的で生徒を乗せたという状況ではありませんでした。

それだけに、「そこまでして生徒を会場へ運んだ教員が処分されるのか」と疑問を持つ人が出ているようです。

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なぜ生徒を自家用車に乗せてはいけない?

今回の処分を理解するうえで重要なのが、このルールが作られた背景です。

広島県教育委員会は2022年9月、懲戒処分の指針を改正しました。

当時、教職員による児童・生徒へのわいせつ事案などが相次いでいたことから、わいせつ行為につながるリスクが高い不適切な行為を新たに規定したものです。

その中の一つとして追加されたのが、「自家用車等への児童・生徒の同乗」でした。

車内は教員と生徒だけになる可能性があり、外部から状況が見えにくい閉鎖された空間でもあります。

そのため、教員が個人的な判断だけで生徒を車に乗せることを防ぐ仕組みとして、所属長の承認が必要になったと考えられます。

今回のような部活動の送迎を禁止することだけを目的に作られたルールではなく、そもそもの背景には児童・生徒を性被害などから守るという狙いがありました。

「他に移動手段がなかった」でも処分されたのはなぜ?

今回、最もモヤモヤが残るのがこの部分ではないでしょうか。

2人の教諭は「他に移動手段がなかった」と説明しています。

宿泊地付近から練習試合会場までは約16kmあり、徒歩で移動できるような距離ではありません。

しかし、県教委の規定は「どのような目的で乗せたか」ではなく、所属長の承認を受けたかどうかが基準になっています。

さらに、県教委の懲戒処分の指針には「所属長の承認(事後の承認を含む)」との記載があります。

つまり緊急的に車へ乗せなければならない状況が生じたとしても、後から所属長の承認を受ける仕組み自体は用意されています。

今回の2人については、その承認を受けていなかったため、事情があったとしても規定上は処分対象になったとみられます。

また報道によると、2人はルール自体を把握していたということで、この点も処分を避けられなかった理由の一つと考えられます。

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学校側は生徒22人をどう移動させる予定だった?

一方で、今回のニュースでは教諭側だけではなく、学校側の遠征計画についても疑問が残ります。

生徒22人を引率し、宿泊地から約16km離れた会場で練習試合を行うのであれば、本来は事前に移動方法を決めておく必要があります。

例えば貸切バスやマイクロバス、公共交通機関、保護者による送迎などが考えられます。

ところが、なぜ当日になって教諭が何度も自家用車で往復しなければならない状況になったのかについては、現時点の県教委の発表では詳しく明らかになっていません。

特に33歳の教諭は19人を運ぶため4往復半しています。

「自家用車で生徒を送迎してはいけない」というルールがあるのであれば、学校側も代わりの移動手段を事前に確保する必要があったのではないかという疑問が出るのは自然でしょう。

もちろん、教諭が規定に違反したことと、学校の遠征計画が適切だったかどうかは別の問題です。

今後、この部分について県教委や学校側から詳しい説明が出るのかも注目されます。

SNSでは教諭への同情や学校側を疑問視する声も

今回の処分を巡ってSNSでは、「規則を知っていた以上、処分は仕方ない」という意見がある一方、教諭に同情する声も見られます。

特に目立つのが、「そもそも学校は22人をどうやって会場まで移動させるつもりだったのか」「バスなどを用意するべきだったのではないか」といった意見です。

また、部活動の指導だけでなく遠征時の移動まで教員が背負わなければならない状況について、教員の負担の大きさを指摘する声もあります。

一方で、自家用車で生徒を運ぶことには、事故が起きた場合の責任や生徒と教員が密室になる問題などもあります。

そのため、単純に「生徒のためにやったのだから問題ない」とすることも難しいところです。

今回のケースは、ルールを守る必要性と、現場の教員に部活動の負担が集中している問題の両方が浮き彫りになった事案といえそうです。

まとめ

広島県立高校の男性教諭2人が生徒を自家用車で送迎し、戒告の懲戒処分を受けた問題についてまとめました。

2人が処分された直接的な理由は、生徒を送迎したことそのものではなく、所属長の承認を受けずに自家用車へ乗せたことでした。

このルールは2022年、教職員によるわいせつ事案などを防止する目的で懲戒処分の指針に追加されています。

一方、今回は生徒22人を練習試合会場へ移動させる必要があり、教諭側は「他に移動手段がなかった」と説明しています。

規定違反だったことは事実ですが、なぜ代わりの移動手段が用意されていなかったのかという点については疑問が残ります。

教員個人にルールの徹底を求めるだけでなく、部活動の遠征時に学校側が安全な移動手段をどのように確保するのかも、今回のニュースから見えてきた課題といえるでしょう。

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