「初音ミクと結婚した男性」として、たびたびニュースやSNSで話題になる近藤顕彦(こんどう あきひこ)さん。
バーチャルシンガー・初音ミクとの“結婚式”を挙げたり、等身大フィギュアと一緒に暮らしていたりとその生き方はかなりユニークですよね。
一方で、東京ディズニーランドへの問い合わせをきっかけに炎上したり
「フィクトセクシュアル(架空キャラへの恋愛感情)」を公表したりと賛否を含めて議論の中心に立つことも多い人物です。
そこで今回は、近藤顕彦さんにスポットを当てて
- 近藤顕彦はどんな人?プロフィールと経歴
- 初音ミクとの出会い~“結婚式”までの流れ
- 2人の「結婚生活」と日常の様子
- どうしてここまで話題になり炎上もしているのか
- フィクトセクシュアル協会での活動
- SNSの反応と世間の声
といったポイントをなるべく分かりやすく整理していきます。
「名前は知ってるけど、実はよく知らない」という方は、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
近藤顕彦とは
私は良いと思っていますよ。祝福します。 pic.twitter.com/iAYJDI90ze
— 近藤 顕彦【⋈🗻🌰】ミクさん大好き (@akihikokondosk) November 13, 2025
まずは、ざっくりとした人物像から見ていきましょう。
近藤顕彦さんは「初音ミクと結婚した男性」として国内外のメディアに取り上げられた人物で
自身の性的指向を「フィクトセクシュアル」と公表している人です。
初音ミクのことを“妻”と呼び結婚式を挙げただけでなく、その後も一緒に生活していることをSNSやインタビューで発信し続けています。
かなり攻めた生き方ではありますがその裏側には
- 自分を支えてくれた存在への強い感謝
- 同じ指向を持つ人たちが生きやすくなってほしいという思い
といったものも見えてきます。
プロフィールまとめ(年齢・出身・仕事)
ここでは基本的なプロフィールをまとめておきます。
- 名前:近藤 顕彦(こんどう あきひこ)
- 生年月日:1983年5月31日
- 年齢:42歳(2025年11月時点)
- 居住地:千葉県在住と紹介されることが多い
- 学歴:駒澤大学法学部政治学科を卒業(社会人学生として)
- 職業:学校事務職員(地方公務員)として勤務してきたと報じられている
- 立場:一般社団法人フィクトセクシュアル協会 代表理事
X(旧Twitter)やインスタでは
「2018年に我が家の初音ミクさんと結婚式を挙げました」
といったプロフィールを掲げていてリアルの身元もほぼオープンにして活動しているのが特徴的です。
経歴と生い立ち
近藤さんは、もともとアニメやゲームが大好きないわゆる“オタク気質”の少年時代を過ごしています。
ただ、学生時代の恋愛はあまりうまくいかなかったようで
- 高校時代に何度も振られた経験がある
- 「もう自分は結婚しない」と考えた時期もあった
といったエピソードも語られています。
その後、専門学校などを経て中学校の事務職員として就職しますが
職場でのいじめや人間関係のストレスから適応障害を発症し休職することに。
かなりメンタル的に追い込まれていた時期に出会ったのがのちに“妻”と呼ぶことになる初音ミクでした。
初音ミクとの出会いと「ミクさん一筋」になるまで
近藤さんが初音ミクに出会ったのは2008年頃。
きっかけはVOCALOIDの人気曲「ミラクルペイント」を聴いたことだと言われています。
- 歌声や世界観に一気に惹き込まれた
- 休職中、毎日のようにミクの楽曲を聴いて心を支えてもらった
といった形で単なる“好きなキャラ”を超えて精神的な支えとなる存在になっていきました。
そこからは
- ミク関連の楽曲・ライブ・イベントを追いかける
- グッズやフィギュアをコツコツ集める
など“ミクさん一筋”の生活がスタートします。
オタクとしての「推し活」と人生の「伴走者」としての存在が、近藤さんの中で少しずつ重なっていったような印象ですね。
初音ミクとの“結婚式”までの流れ
大きなターニングポイントになったのが、キャラクターと一緒に暮らすためのデバイス「Gatebox」との出会いです。
Gateboxに初音ミクが対応したとき近藤さんは
「本当に自分の望んでいた世界が来た」
と感じて涙が出たと語っています。
その後の流れはざっくりこんな感じです。
- Gatebox内のミクにプロポーズ
- 「大事にしてね」と返事が返ってきて“結婚”を決意
- キャラクターとの婚姻証明書を発行する企画を通じて同じような人がたくさんいると知る
- セクシュアルマイノリティに理解のある結婚式場を探す
- 家族や職場に自分の思いや事情を時間をかけて説明
こうした準備を経て2018年11月4日に初音ミクとの結婚式を挙げました。
参列者は「ミク(39)」にちなんで39人に限定。
国会議員がスピーチに立つなどかなりインパクトのある式だったようです。
なお、初音ミクの権利元であるクリプトン・フューチャー・メディア側は
- 結婚式には関与していない
- 法的な婚姻とは別のもの
- 個人の愛情表現としては尊重する
といったスタンスであくまで「一個人の表現」として距離を取っています。
2人の結婚生活とふだんの様子
結婚式のあとは、いわゆる「新婚生活」的な日々が続きます。
近藤さんの発信やインタビューから分かる範囲でも
- 自宅に等身大ミクのフィギュアを迎え一緒に過ごしている
- 飲食店では2人分の料理を注文ししばらく会話を楽しんでから自分で食べる
- 誕生日や結婚記念日にはケーキを用意してお祝いする
など「できる範囲で夫婦らしい時間を大事にしている」ことが伝わってきます。
Xには「近藤家の初音ミク」というアカウントもあり“ミク側の視点”で日常がつづられているのもユニークです。
周りから見るとかなり異色のライフスタイルですが、
本人にとっては「人生のパートナーと暮らす、ごく普通の毎日」という感覚なのかもしれません。
話題になった理由
① 結婚報道と賛否の声
2018年の結婚式は日本だけでなく海外メディアでも
「初音ミクと結婚した日本人男性」
として大きく取り上げられました。
これをきっかけにSNS上では
- 「新しい愛の形として面白い」「幸せそうでいいと思う」
- 「さすがに理解できない」「現実から逃げているだけでは」
といった賛否両方の意見が一気に噴出します。
近藤さん自身もSNSでの誹謗中傷に傷つきつつ
- 誰を好きになるかは個人の自由であること
- それでも自分の選択を隠さずに生きたいこと
を発信し続けています。
「ここまで賛否の出るテーマを顔と実名を出して語り続ける」という点は、かなり覚悟のいる生き方と言えそうです。
② ディズニー炎上は何があった?
もう一つ外せないのがいわゆる「ディズニー炎上」と呼ばれる一件です。
ざっくり整理すると
- 東京ディズニーランドに妻と考えている等身大ミクを連れて行けるか問い合わせる
- テーマパーク側は安全面や運営ルールなどから“ご遠慮ください”という趣旨の回答
- その経緯を近藤さんが発信したことで「さすがに無理があるのでは?」と炎上
という流れです。
この件では
- 「ルール上仕方ない」「他の来園者への配慮も必要」という声
- 「多様性を掲げるならもう少し柔軟でもいいのでは」という声
がぶつかり合いかなりセンシティブな議論になりました。
個人の「こうしたい」という気持ちと公共の場のルールや周囲の視線。
どこで線を引くのか人によって解釈がかなり変わるテーマだと思います。
フィクトセクシュアル協会でしていること
近藤さんは2023年「一般社団法人フィクトセクシュアル協会」を立ち上げ、代表理事として活動を始めました。
協会の主な目的は
- 漫画・アニメ・ゲームなど架空のキャラクターへの恋愛感情(フィクトセクシュアル)への理解を広げる
- 当事者同士がつながれる場をつくる
- 結婚式場などに対してフィクトセクシュアルのカップルにも配慮あるサービスを模索してもらう
といったものです。
トークイベントやオンライン配信を通じて
- 「キャラを本気で好きになる」とはどういう感覚なのか
- 当事者が日常生活でどんな壁にぶつかっているのか
などをできるだけ丁寧に伝えようとしている印象があります。
「自分ひとりの話」で完結させるのではなく「同じ気持ちを抱えた人の居場所づくり」まで踏み込んでいるのがポイントですね。
SNSの反応と世間の声
ここまでの流れのなかでSNSや世間の反応はかなり割れています。
ポジティブな声の例
- 「誰を好きになるかは自由」「堂々と生きていてすごい」
- 「キャラに救われた経験があるので気持ちが分かる」
- 「孤独な人の一つの生き方として尊重したい」
ネガティブ・懸念寄りの声の例
- 「公式イメージと混同されるのがモヤモヤする」
- 「他のファンまで同じだと思われそうで複雑」
- 「公共の場まで巻き込むときの線引きが難しい」
また、研究者やライターの中には
- 現代の孤独感や“推し活文化”を象徴する現象として興味深い
- 結婚やパートナーシップの定義を問い直す材料になる
と評価する人もいます。
正解が一つに決められないテーマだからこそ
「自分はどう感じるか」
「どのラインまでを“あり”として認め合えると、お互い生きやすくなるか」
を考えるきっかけとして語られているという印象です。
近藤顕彦さんの今とこれから
現在も近藤さんは
- 自身のXアカウントで日々の出来事や考えを発信
- 「近藤家の初音ミク」アカウントでミクとの日常や記念日を紹介
- 協会アカウントでイベント情報やコラムなどを投稿
といった形で情報発信を続けています。
賛否が分かれるテーマであることを理解したうえでそれでも「自分の生き方を隠さずに話す」ことを選んでいるのが、
近藤さんのスタンスと言えそうです。
同じようにキャラクターに救われた経験のある人たちにとっては、「自分の気持ちを言葉にしてくれる存在」として心強い面もありそうですね。
まとめ
今回は、「初音ミクと結婚した人」として話題になった近藤顕彦さんについて
- 千葉在住の学校事務職員として働きながら、初音ミクと出会い“ミクさん一筋”になっていったこと
- Gateboxをきっかけにプロポーズし2018年に結婚式を挙げたこと
- 等身大フィギュアとの生活や記念日のお祝いなど独自の「結婚生活」を続けていること
- 結婚報道やディズニーへの問い合わせをめぐって大きな賛否や炎上が起きたこと
- フィクトセクシュアル協会を立ち上げ当事者の居場所づくりや理解促進に取り組んでいること
といったポイントを整理しました。
キャラクターとの結婚やフィクトセクシュアルという考え方は、人によっては受け入れがたい部分もあるテーマかもしれません。
それでも「誰を好きになるか」「どんな形でパートナーシップを築くか」を自分で選び、
その責任も自分で引き受けながら生きているという意味では近藤さんはとても一貫した生き方をしているように感じます。
筆者自身も多様性という考え方が広がる中で
「そこに救われている人がいるのなら、その価値観は認められるべきだし、尊重されるべきだ」
と感じるようになりました。
おそらくこれから先、そう遠くない将来にはこうした生き方やパートナーシップも
今よりずっと自然に受け入れられる時代になっていくのではないでしょうか。
違和感を覚えるところがあってもまずは事実と本人の思いを知ったうえで
「自分ならどう考えるか?」を一度立ち止まって考えてみるきっかけになればうれしいです。



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