「消防の常識は世間の非常識だった」〜元消防士が外の世界で気づいた本当の学び〜

消防の常識は、世間の非常識。

この言葉が、今の自分には痛いほど刺さります。

長年、消防という世界で生きてきた私はそれがどれほど“閉じた社会”だったのかを、離れて初めて知ることになりました。

これは決して消防だけに限った話ではありません。

どの業界にも、その業界特有の“常識”があり、それは時に社会全体の常識とは大きくズレていることがあるのです。

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消防の中で完結していた世界

かつての私は、正直に言えば『消防がすべて』でした。

その使命感、緊張感、チームワーク、そして現場での達成感。

確かに尊く誇りを持てる仕事ではありましたが、振り返ってみると外の世界との接点が極端に少なかったと思います。

人間関係も、価値観も、考え方も、“内向き”だった自分を、当時は『正しい』と疑いもしませんでした

一般社会で感じた“自分の無知”

消防を離れて一般社会に出ると、自分がいかに狭い世界で生きていたかを思い知らされました。

会話の中で知らない言葉が出てくる。

世間で話題になっているニュースの背景が理解できない。

政治や経済、テクノロジーやSNSのトレンドにまったくついていけない。

そんな自分に、何度も恥ずかしさを感じました。

知れば知るほど、過去の自分が小さく見える

外の世界に興味を持ち、少しずつ学んでいく中で、見方が変わっていきました。

たとえば、投資や仮想通貨で稼いでいる人を『楽してるだけ』と決めつけていたこと。

SNSで発信している人を『中身がない』と見下していたこと。

でも実際は、彼らの多くが地道な努力と分析を重ね、結果を出している。

そのことを知るたびに、自分の思い込みの浅さや視野の狭さを思い知らされました。

社会や世界の動きに自然と関心が向くようになった

以前は、政治や経済のニュースなんてまったく興味がありませんでした。

でも今では円安や金利の話、戦争が与える経済への影響などに自然と関心が湧くようになりました。

なぜなら、それらが『自分の生活と無関係ではない』と気づいたから。

知らないと生きづらくなる社会の中で、知ることの価値を強く感じています。

別の業界で学び直すという経験

今は、まったく異なる職種で働いています。

その世界にも、消防とはまるで違う“常識”があります。

人間関係の築き方、時間の使い方、求められるスキル――どれも新鮮で、時に戸惑いを感じることもあります。

でも、そうした違いに触れるたびに、「外に出てよかった」と思えるのです。

一度自分をリセットしてゼロから学ぶという経験は、何よりも価値のあることだと感じています。

業界の常識に縛られない生き方を目指して

どんな業界にも“常識”はあります。

でもその常識が、社会全体に通用するとは限らない。

それを身をもって体験しました。

一歩外に出ると、見える景色は驚くほど変わります。

そして、自分の未熟さや視野の狭さに気づくことができます。

それは恥ではなく、成長の第一歩。

これからも、知らないことに向き合い、学び続けていきたい。

そう思えるようになった自分が、今は少しだけ誇らしいのです。

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